ブログ無段
バカまっしぐらなダメ人間の古川土竜が、トチ狂った妄想を膨らませたり、ネジ曲がった暴論を吐いたりするわけで。にょほほほほ。

リュック・ベッソン脚本の『WASABI』。

2012年の夏季オリンピック開催地に落選したパリは、誘致のためにリュック・ベッソン監督によるプロモーション・フィルムを製作していたらしいですね。
ロンドンのプロモーション・フィルムを製作したプロデューサーは、リュック・ベッソン監督が撮った映像を見て「観光ビデオのようで危なげない作りだった」とコメントしたそうで。

ああ、そりゃダメですね、ベッソン監督。
「危なげない作り」では、リュック・ベッソンの面白さは表現できません。
彼の面白さは、そのデタラメ極まりない脚本にあるのですよ。
ってなわけで、今回は彼が脚本を書いた映画『WASABI』を御紹介。

強引な捜査を繰り返すパリの刑事ユベールは、署長の息子を病院送りにしてしまい、上司のスクアールから謹慎処分を言い渡されます。
ユベールは、かつての恋人・小林ミコのことを忘れられずにいます。
19年前に諜報部員として日本で勤務していたユベールはミコと付き合っていたのですが、急に彼女は姿を消したのです。

ユベールは日本の弁護士イシバシからの連絡で、ミコが死亡したことを知らされます。
東京へ向かったユベールは、諜報部員時代の同僚モモと再会しました。
イシバシの弁護士事務所を訪れたユベールは、ミコと自分の間にユミという娘が生まれていることを知ります。

ユベールはイシバシから、遺書と鍵を渡されました。
遺書には、ユミが成人するまでユベールが後見人になるよう書かれていました。
ユミが成人するのは、2日後です。

ユベールは、父親だと名乗らず、ユミに会いました。
彼女は酒を飲んで警官を殴り、留置所から出て来たばかりでした。
ユミはミコから、父親は自分をレイプして妊娠させたと聞かされていました。

ユベールはユミと共に、ミコが火葬される斎場を訪れました。
ユミコの遺体を見たユベールは、ガンで死んだはずの彼女の顔に、青酸カリの結晶が付着しているのに気付きます。
さらにユベールは、ミコの爪の間に土が挟まっているのを発見しました。

葬儀を済ませたユベールは、ユミと共にミコの姉の元を訪れます。
ミコのカルテを調べた後、ユミと共に出掛けたユベールは、ユミの口座に200億円が入っているのを知ります。
それは、ユミも知らないことでした。
やがて2人は、タカナワ率いるヤクザ達に狙われるのです。

リュック・ベッソンが設立した製作会社“ヨーロッパ・コープ”の作品です。
さて、早速、この映画の素敵なシナリオをチェックしていきましょう。

ユベールは手荷物検査をしようとする税務署職員を殴りますが、何の御咎めもありません。
モモはユベールの来日を知っていましたが、その理由は「元諜報部員だから」という説明になっていない説明で処理されます。
で、秋葉原なのに「新宿だ」と主張する場所に行きます。

弁護士事務所は、障子戸になっています。
そこで、ミコが19年間も連絡さえ取っていない男に娘の後見人を頼むという、ヘンテコな考えの持ち主だと分かります。
さらに彼女、娘に対して、「私は強姦されてアンタを生んだのよ」と教えています。スゴい母親です。

ところで、19年前にミコと別れたユベールが、20歳になる娘の存在を知らないというのは、ちょっと計算が合わないと思うんですけどね。
どこかで時間軸がズレちゃったんでしょうか。
あと、ミコが200億円もどうやって手に入れたのかも、良く分かりません。

ユベールが出会う日本人は、みんなフランス語が堪能です。
一方で、ずっと日本にいるはずのモモは、ほとんど日本語を話せません。

百貨店で客とヤクザが争っているのに、警備員は駆け付けず、警察も現れません。
ゲームセンターでも銃を発砲して何人も死んでるのに、警察は動きません。
そのくせ、最後だけは警察が駆け付けます。

さて、ミコの娘なので、ユミもアッパラパーです。
2日前に母親を亡くしたのに、ニコニコ笑って友達と喋ってます。
ムリに明るく装っているのではなく、心底から陽気なのです。
母親の火葬シーンでも、この娘はハデハデなファッションに身を包んでいるアーパーです。

ユベールの「医者だから」というウソを聞いたユミは、「私の鼻を整形してよ」と陽気に話します。
それ、母親の遺体の前でのシーンです。
たまに泣くことはあっても、すぐに脳天気モードになって楽しく遊び回ります。
どうやら、オツムが不憫な娘のようです。

死化粧された後のミコの死体には、結晶が付着したままになっています。
ってことは、それまで誰も気付かなかったということでしょう。
そして、医者は青酸カリの中毒死と癌を間違えたということになります。
つまり、日本人はバカばっかりということになりますね。

ユベールは「医者だから」とウソをついて、死体から結晶を勝手に回収します。
ミコの遺灰は、無断で東京湾に撒かれます。
許可を得たとしても、沖合いに出た場所に行かなきゃならないはずですが、港から撒いています。
で、遺体を焼いた後なのに、なぜか霊柩車が待っています。

ヤクザから呼び出されたユベールは、危険な場所のはずなのに、なぜか娘を連れて行きます。
よっぽど離れたくないんでしょうか。
それにしては、ヤクザにユミが連れて行かれた時、全く助けようとしなかったんですけどね。
こいつもユミと同じく、オツムが不憫なんでしょう。

娘が連れ去られたユベール、モモと一緒に居酒屋へ飲みに行きます。
ノンビリしたオヤジですね。
で、注文したわけでもないのに、ワサビの大盛が運ばれてきます。
どんな店ですか、それは。

で、ミコがヤクザ組織に潜入捜査をしていたと分かるのですが、日本に潜入捜査は無かったような。
あったとしても、ヤクザへの潜入捜査に使うなら、女より男を選ぶでしょうし。

さて、ユベールは京都に行くのですが、明日の朝10時にはユミが20歳になって口座凍結が終わるので、それまでに東京に戻らねばなりません。
京都に到着したのは、タイムリミットの朝。
そこから清水寺に行き、用事を済ませて東京に戻ると、どう考えても10時には間に合わないのです。
でも、間に合ってるんです。
東洋の神秘でしょうか。

銀行を訪れたタカナワは、受付の人間にフランス語で話し掛けます。
ちなみにタカナワ、日本人です。
それに対応するのは、受付係に化けたモモ。
日本の銀行でフランス人が受付をしているのに、タカナワは全く疑いません。
こいつもオツムが不憫なんでしょう。

そんな感じで、とにかくツッコミを入れ始めるとキリが無いのです。
特に日本人にとって気になるのは、やはり日本に関する描写でしょう。
しかし、それらのヘンテコな描写は、全て「笑いとしてワザとやっている」と考えれば、いちいち腹を立てる必要も無いでしょう。

この映画は、何もかもがデタラメです。
しかし、だからといって「デタラメじゃないか」と文句を言っても、製作サイドに奇妙な顔をされてしまうだけでしょう。
「最初からデタラメな映画として作っているんだから、当然じゃないか」ということなのです、たぶん。
まあ、そういう映画なのです。

では、死ななかったら、また会いましょう。

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WASABI

日本を舞台に、巨大な犯罪劇に巻き込まれていく心優しき強面刑事とその娘の奮闘を描いたライト感覚のサスペンス・アクション。 とにかくハチャメチャなストーリーですが、全体的にテンポよく進むので気軽に楽しめました。 ユベールは影で護衛をしながら二人は行動を共にす シアフレ.blog【2005/08/27 13:30】

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