前回のエントリーでは触れませんでしたが、昨年の内に尿管結石から解放されている古川土竜です。
『映画無段』のコンテンツ「ポンコツ映画愛護協会」を更新しました。
今回の更新は、『氷の微笑2』、『紀元前1万年』、『バベル』、『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』など13本です。
さて、第35回ゴールデン・ラズベリー賞のノミネート結果が発表されました。
そのリストについては、ウチだけじゃなくて色々な場所で掲載されています。
興味があれば好きなサイトをご覧頂くとして、今回はそれについて少し。
『トランスフォーマー/ロストエイジ』や『ミュータント・タートルズ』、『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』や『Blended』のように事前予想で挙げていた作品も入っていますが、予想外の結果も色々とあります。
意外だったのは、ニコラス・ケイジが『Left Behind』で最低主演男優賞にノミネートされていること。
『Left Behind』って、『ゴーストライダー2』の3分の1程度の予算で作られたB級映画なんですよね。
しかも昨年度のラジー賞で、ニコラス・ケイジはノミネートされませんでした。
なので、ラジー賞は彼を見限ったと思っていたんですよね。
ところが前述したように、完全に低予算B級映画である『Left Behind』でノミネートされたわけで。
ラジー賞の投票者たちは、よっぽどニコラス・ケイジが好きなんですね。
いかにもラジー賞らしいなあと感じたのは、『アイ・フランケンシュタイン』のような映画は完全に無視する一方で、『Kirk Cameron's Saving Christmas』が複数部門にノミネートされていることです。
主演のカーク・キャメロンは俳優としての一線を退き、現在は福音主義のクリスチャンとしての活動をメインにしている人物です。
そして『Saving Christmas』も、宗教的な意味合いの強い映画となっています。
ちなみにカーク・キャメロンは、2012年にテレビ番組で同性愛は有害だと発言してバッシングを浴びた経歴があります。
で、そんなカーク・キャメロンの宗教映画を複数部門でノミネートしたってことは、ようするにラジー賞の投票者たちが「今回の遊び道具」として彼を選んだってことじゃないかなと。
ラジー賞って、単純に「多額の予算を使って失敗した駄作」を選ぶ映画賞じゃなくて、「ネタとして面白いから」という偏りが入ることも少なくないんですよね。
その典型的なパターンが、『Saving Christmas』ってことじゃないかと。
昨年度や一昨年度のタイラー・ペリーも、そういう意識が強かったのかもしれません。
そして、もうタイラー・ペリーには飽きたのかもしれません。
で、前述したニコラス・ケイジの『Left Behind』って、実は聖書の預言をモチーフにした大人気小説シリーズが原作で、過去にカーク・キャメロンの主演で映画シリーズが作られているんですよね。
なので、ひょっとすると『Left Behind』と『Saving Christmas』のノミネートは、関連しているのかもしれませんね。
では、死ななかったら、また会いましょう。